筋トレと読書をこよなく愛する男のブログ

こんにちは。こんばんは。筋トレと読書をこよなく愛する男、名はプロティンです。主に筋トレの方法と本を読んで知識提供をしてます。

影響力の武器~要約~人は影響力によって動かされる


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影響力の武器は476ページくらいあります。読むのが苦手という方は見ていただけると幸いです。今回はロバート・B・チャルディーニ著の「影響力の武器」をご紹介します。とても有名な本で人が影響力によってどう動かされるのかを事例、実験とともに解明しています。影響力の要素は6つあります。それぞれ、詳細にこの本を参考にしながら説明していきます。

 

返報性

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ある教授が実験を行いました。それはクリスマスカードを全く知らない人に送ってみるというものです。少しは反応があるだろうと思っていた教授ですが、結果は山ほどの返事が返ってきたのです。この実験から私たちの身の回りでも起こっている強力な武器である「返報性」のルールが浮かびました。これは「他人が自分に何かの恩恵を施したら、自分は似たような形で返さなければならない」というルールのことです。この返報性があるために、恩恵を与えた人に対して将来お返しをせずにはいられない気持ちになるのです。

返報性の働き方

返報性はそれを影響力があると知っている人にどう悪用されるのか、こんな実験があります。心理学者デニス・リーガンによって行われた「美術鑑賞」という名目の実験に参加した大学生が、もう1人の参加者(Aさん)とともに作品の評価を行いました。このもう1人の参加者はじつはリーガンの助手です。研究の目的のために2つの条件下で行いました。第1の条件はAさんは短い休憩時間の間に大学生にコーラを買ってきました。第2の条件はAさんは参加者に対して、親切を行いませんでした。すべての絵画の評価が終わり、Aさんは自分の頼みごとを大学生に告げました。「自分は新車が当たるくじ付きのチケットを売っているが、最も多くチケットを売れば50ドルの賞金が手に入る」

コーラを貰っていた場合、大学生はたくさんのチケットを買いました。それは親切をしなかった場合の2倍でした。Aさんに対して明らかに借りがあると感じていたのでした。

返報性の恐ろしさは相手に借りがあるという気持ちがなければ断るような要求でさえ、受け入れさせてしまうことです。

チケットの実験ではコーラをもらったほうがAさんに対する好感度も高い傾向がありました。もちろん、親切にしてくれた人には好感をもつのは普通です。しかし、この実験の場合、好感度と要求を受け入れる割合の相関関係が全くなくなっていました。つまり、Aさんにコーラを貰った参加者はAさんを好きか嫌いかに関係なくチケットを購入していたのでした。

このことから、私たちが嫌うセールス、宗教勧誘などはちょっとした親切をするだけで要求が通ってしまう確率がぐんと上がってしまうことが分かります。

防衛法

返報性のルールを使ってくる恐ろしい強敵から身を守るために防衛法を知っておきましょう。本当の敵は返報性のルールそのものです。翻弄されないために、ルールを学んで無力化してしまわなくてはなりません。

そのために、まずは「返報性を発動させないようにすること」です。発動さえ防いでしまえば猛威をふるうことはありません。しかしながら、いつも相手の好意を断っていては、本当の厚意や譲歩を素直に受けられなくなってしまいます。つまり、返報性のルールをしっかりと知っておき、相手の申し出を全部断ってしまうのではなくむしろ最初の譲歩は誠意をもって受け入れて、後で策略と分かった時点で、それを計略だと再定義することです。再定義ができれば相手の受けて親切や譲歩のお返しをしなくてすみます。

相手が親切にしてきたら受け入れてもいいのです。しかし、あなた自身が必ずお返しをしなくてもいいということです。お返しをするかどうかはあなた自身で決めることです。特に知らない人なのに親切にされてお返しをしなくても、あなたは悪くないのです。

返報性のまとめ

  • 返報性は「相手からの親切を返さなければならない」いうルールである。
  • 返報性は知らない人から悪用される場合が多くある。
  • 返報性の防衛法は相手から親切にされたときに誠意をもって受け入れ、計略であると分かった場合は再定義してお返しをしなければならない気持ちにならないようにすることである。

コミットメントと一貫性

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2人のカナダ人の心理学者が競馬場にいる人について調べたところ、彼らは自分が賭けた馬の勝つ可能性について、馬券を買う前よりも買った後のほうが勝率を高く見積もっていました。ひとたび馬券を買うと、その人自身の中で勝つ見込みが明らかに高まっていたのです。

こうした自分がすでにしてしまったことと一貫していたい(他者からもそう見られたい)という欲求一貫性と言い、決定したり立場をとったりする(コミットする)ものをコミットメントと言います。

コミットメントと一貫性の働き方

社会心理学者スティーブン・J・シャーマンはインディアナ州ブルーミントンの住民に電話をかけ、アメリカ癌協会のために寄付を集める3時間程度のボランティアに参加を依頼されたらどうしますか?と質問をしました。これには多くの人が引き受けると答えました。このささいなコミットメントを踏んだことにより、数日後、アメリカ癌協会が実際に電話でボランティアの依頼をしたところ、依頼の手続きをしなかった場合の8倍も引き受けてくれたのです。

慈善活動に寄付を依頼してくる人たちがあなたの気分や体調を尋ねてくることがあります。「○○さん、こんにちは!今夜の気分はいかがですか?」「お元気ですか?」

こうした挨拶はただ友好的に見せるためのものではありません。こういう挨拶は「大変いいです」「ありがとう、元気にやっています」という何気ない言葉を引き出そうとしているのです。うまくいっていると返事をした瞬間から電話を掛けた人の仕事がとても楽になります。

「よかったです。今回お電話したのは、不幸にも○○で被害を受けた人々を支援する募金にご協力いただけないかと思いまして。。」

元気でやっていると答えてしまい、恵まれた環境にあることを認めてしまったために、けちな人間だと思われるのに気まずい思いを感じてしまいます。よって寄付をしてしまうのです。

人は自分が外部からの強い圧力なしに、ある行為をする選択を行ったと考えるときに、その行為の責任が自分自身にあると認めるようになります。

防衛法

 コミットメントと一貫性から身を守る方法は1つしかありません。一貫性の中には馬鹿げていてコントロールしにくい、避けるべき種類の一貫性も存在することを意識することです。そして、一貫性が不利な選択を導くのはどんなときかを知ることです。そのサインは2種類あります。

1つ目が胃から送られるサイン。自分でやりたくないとわかっていることをやらされそうになったと気づいたときにちょうど、みぞおち辺りから発せられます。胃が固くなったような気がして、明らかにサインを示すときがあるようです。

2つ目が心の奥からのサインです。胃が反応をするのは自分でも間違っているとわかっているときだけですが、本来なら自分の選択が間違っていて実生活は馬鹿げた一貫性を保っているにすぎないことに気が付くはずです。それが表れるのが心の奥というわけです。少し表現が難しいですが、これは実際に経験してみないとわからないかもしれません。

コミットメントと一貫性のまとめ 

  • ほとんどの人には、自分の言葉、信念、考え方、行為を一貫したものにしたい、あるいは、他社からそう見られたいという欲求があることは心理学者の間でずっと前から知られていた。
  • この欲求は3つの要素で構成される。1つ目が社会から高い評価を受けること。2つ目が日常生活にとって有益であること。3つ目が思考の近道が得られること。
  • 承諾のカギは最初のコミットメントを確保すること。つまり、ドア・インザ・フェイステクニックがいい例である。
  • 防衛法には馬鹿げたものもあることを意識することと、胃と心からのサインを見逃さないことである。

 

 

社会的証明

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テレビ番組ではよく録音された笑い声が使われます。テレビ番組の制作者たちは意図があって、あの笑い声を挿入しているのです。実際にこれは学術研究で得られて知見です。笑いどころであの笑い声を使うと、観客の笑う回数が増え、笑っている時間もながくなることが分かっています。また、観客はそのネタをより面白く感じてしまいます。よくこれは明らかにすべっただろうときに、録音された笑い声が聞こえますが、そんなときこそこの笑い声が効果を発揮するのです。この録音された笑い声が与える影響の原理は社会的証明の原理を利用しています。

特定の状況で、ある行動を遂行する人が多いほど、人はそれが正しい行動だと判断します。

社会的証拠に合致した行動をとるほうが、間違いを犯すことがないということです。

 

社会的証明の働き方

では、社会的証明はどのように働くのでしょうか。

大多数の人がやっていることは正しいと思うことで社会的証明が発動します。みじかで言えば、赤信号や行列といったマナーを守るべきところでも、社会的証明が働いています。しかし、これは守らないと大勢の人に迷惑をかけてしまいます。社会的証明が力を発揮するのは、恥ずかしい行動をしたくないという心理のときです。例えば、ナンパもそうですが、実際に出会いがないならナンパをすればいいのですが、周りの目を気にするといった理由でできないことが多いですね。

恥ずかしい行動をしたくないから、目立たないように周りに溶け込み、周りと同じようにふるまう。これでほんとにいいのでしょうか?このような社会的証明に振り回されていると自分が後悔をするはめになる場合もあります。

 

シルバン・ゴールドマンは1934年に小さな食料雑貨店をいくつか買収しました。買い物客が買い物をやめるのは、買い物かごが重くなってきてからだということに気づき、ショッピングカートを開発しました。当初、ほとんど馴染みのない考案品だったために、使おうとする顧客は1人もいなかったのです。顧客に使わせるように努力をしましたが、どれもダメでした。ゴールドマンはここで社会的証明を原理とした方法を試してみました。それは買い物客を何人か雇い、ショッピングカートを押して、店内を回らせたのです。その結果、サクラでない客も真似をするようになり、ショッピングカートは全米に広まりました。ゴールドマンは資産4億ドル以上の大金持ちとなりました。

 

他者は他社の反応を吟味しています。周囲が何をしているのかを知ろうとして、集合的無知と呼ばれる現象が生じます。

 

ジェノヴィーズ事件ではキャサリン・ジェノヴィーズは大勢の人の前で犯人に襲われ、ナイフによって彼女の叫びはかき消されました。信じられないことに、38人の隣人たちはアパートの窓際からみているだけで、警察に電話をすることすらしませんでした。

また、この殺人が行われている間、見ている人で警察に通報するものはいなかったのです。事件を目撃した人は「本当にわからないんです」「巻き込まれたくなかったから」という理由を述べました。

つまりは、助けられそうな人がほかに何人かいるなら、個人個人の責任は少なくなるのです。社会的証明の恐ろしさはこのような形でも表れてきます。

 

ウェルテル効果はご存じでしょうか?ドイツの文豪ゲーテは「若き日のウェルテルの悩み」という小説を出版しました。主人公ウェルテルの自殺を扱っており、この本の影響によってヨーロッパ中でウェルテルを真似た自殺が相次いだのです。いくつかの国の当局者は発禁処分にしたほど被害が大きかったのです。

模倣犯は事件が起きるとほぼ現れるでしょう。実際に爪楊枝を商品にいれた事件も模倣犯が相次ぎました。

このような事件も社会的証明です。有名な人は影響力があるがゆえに、その人の行動だけでも社会的証明が働いてしまうのでしょう。

 

防衛法

どうすれば社会的証明の影響が悪い方に働いた場合に身を守ることができるのか。そもそも私たちは社会的証明に対して、防衛態勢をとりたがりません。多くの人がしている場合、私たちは思考が働いていません。考えなくても周りと同じようにしてしまうのです。このことから、自動的な行動に気を付けることが1つの防衛法であります。

赤信号で隣の人が歩き出したとしても、一旦、自分で考えて、これは本当に正しいことなのだろうかと問いかけてみましょう

もう1つは周りをよく見渡すことです。社会的証明が働いている場合、多くの人が見ている方向しか目が行きません。そのような場合はかなり危険で、実は別の場所に危機が迫っていることがあります。地下鉄で火事が起きた事件でも、煙が出ているのに多くの人がなぜか座っていたことで、死人も多く出てしまいました。周りが見えなくなる場合がありますので、よく注意して周りを観察しましょう。

 

社会的証明のまとめ

  •  特定の状況である行動を遂行する人が多いほど、人はそれを正しい行動だと思ってしまう。これを社会的証明と言う。
  • 社会的証明は不確かさと類似性の条件下で力を発揮する。人は状況が曖昧なときに周りに注意を向け、正しいものとして受け入れようとする。また、人は自分と似た他者の行動につられてしまう傾向にある。
  • ウェルテル効果は特に悪い方向に働いた社会的証明として知られる。
  • 社会的証明に影響されないためには、類似した他者が行っていることが偽りの証拠に対して敏感であることと、自分の行動を決定する際には類似した他者の行動を決定の動機にしないことが必要である。

 

好意

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私たちが頼み事を聞くのはたいてい好意をもっている人です。しかし、私たちが知らない人が好意という単純なルールで実際に様々な承諾を取っている、というのも事実です。私たちが日頃から仲良くしている人たちは好意をもっていますので、イエスと言わせる圧力も少なからずあるはずです。実際、すごく仲のいい友人からの頼み事はなかなか断れない人も多いのではないでしょうか。社会的証明の次は、この単純なルールである好意について迫ります。

 

好意の働き方

承諾誘導の専門家には、友人がそこにいなくても友人の名前を出すだけで、効果があると知っている人もいます。セールスマンは「無限連鎖」というものを使っているのです。客がその商品を好きだと言ったら、今度はその商品について同じように詳しく知りたいと思っている友人の名前を教えるように頼みます。そうしたら、友人のリストに載っている人を訪問して商品を売り込むとともに、友人を紹介するように言います。こうして無限に連鎖は続いていくのです。

この方法がなぜ成功するのか?「○○さんから、あなたを訪問するように言われて来ました」と友人の名前を告げる点に、その理由があります。セールスマンを追い返すのも、友人の頼みを断ることになるのと同然だからです。そのために、客は訪問に応じてしまうのです。

 

ペンシルバニア州で行われた研究で、刑事裁判が行われたときに74人の男性の被告の身体的魅力を評価しておきました。裁判が終わった結果、ハンサムな男性のほうがずっと軽い刑で済んだことがわかったのです。また、損害賠償額の判決においても、外見が被害者より被告のほうがよい場合、平均5623ドルであったのに対し、被害者の方が魅力的であった場合、平均で1万51ドルでした。

 

このことから好意に対して影響する要因の1つとして、まず、身体的魅力が挙げられます。ハロー効果という心理学の言葉があるのですが、これは1つの大きな特徴をもっていることで、その人の他の部分にまで大きな影響を与える効果を言います。身体的魅力はハロー効果を生じさせ、才能や知性も高まっているように見せてしまいます。よく、身長が高い人は頭がいいとか、運動神経がいいと思ってしまうのもハロー効果になります。

 

好意を持つ相手は類似性があるということも1つの理由です。私たちは自分と同じ趣味や同じ価値観の人と仲良くなりやすく、好意を持ちます。恋人を選ぶ時も価値観が同じであったり、お互いにおっとりした性格だとか、基準を決めることが多いです。

しかし、こういった類似性を悪用する人がいることも、頭に入れておかなくてはいけません。「似たもの同士ですね」と言ってくる人は気を付けたほうがいいかもしれません。

 

防衛法

では、好意を悪用する人から身を守る術を教えましょう。 

まず、不当な好意が生み出されたという事実に注意を向けましょう。状況からみて相手が自分のことを不自然なくらいに好きになっていると感じたら疑いましょう。承諾誘導の専門家はあなたと仲良くなろうとしてきますので、その好意をブロックすることだけに集中しましょう。例え、相手から何を貰おうとも受け取ってはいけません。それを受け取った時点で返報性も働くからです。

好意の力が働いたと思ったら、柔道のようにその力を利用して反撃に出ましょう。その力が大きいほど、防衛も容易になります。

 

好意のまとめ

  •  人は自分が好意をもっている相手に対して、「YES」と言ってしまう傾向がある。
  • 好意に影響する要因として、身体的魅力が挙げられる。身体的に魅力があるとハロー効果によって、その人の他の部分にまで影響を及ぼしてしまう。
  • 要因の2つ目に類似性が挙げられる。私たちは自分に似た人に好意をもつ傾向にあり、そのような人の要求にはYESと言ってしまいやすい。特にお世辞は好意を高め、承諾を引き出しやすい。
  • 好意が及ぼす悪影響を防ぐには、悪用する相手に対して過度の好意をもっていないか敏感になることと、相手から不自然な好意を感じたら承諾をするだけのメリットがあるかをよく考えることである。そして、相手からの好意を逆利用して反撃を取る姿勢をもとう。

 

 

権威

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「記憶への実験」と題した広告を目にし、実験に参加した人がいました。参加者の1人には対になった単語で構成された長いリストを暗唱できるまで覚えてもらいます。この人を(学習者)と呼びます。もう1人の参加者は(教師)と呼ばれ、学習者の記憶テストをし、間違えた場合には罰として電気ショックを与えます。初めは順調でしたが、間違えてしまうと電流の強さも上がっていくため、集中できなくなり、どんどん間違えるようになりました。学習者はついに「解放してくれ」と叫びますが、教師は聞く耳をもちません。学習者は教師もさすがにやめてくれるだろうと思いましたが、なぜかやめてくれません。なぜやめないのだろう?不安に思う学習者でしたが、この実験にこそ「権威」の力が働いてるのです。

教師はやめるべきかどうか混乱していました。しかし、その上のボス(実験服を着た研究者)は参加者に義務を遂行するように促し、命令しました。

研究者からの命令がなければ、実験は中断されたでしょう。

 

権威をもった人の力によって、これほどまでに強力に影響力を及ぼすのです。

 

権威の働き方

肩書きの力も強力に作用します。ある人は教授という肩書きを隠したほうがいいと言いました。それまで、愉快な会話をしていたのに、肩書きを明かすと上品でうなずくばかりの退屈な相手に変わってしまうからです。

承諾誘導の専門家や詐欺師は肩書きを、持っていないのに持っているかのように偽装します。そうして、カモを騙すのです。

実は肩書きによって背丈を高く見せることも可能です。実際に研究で高名な肩書きをもっていると、身長が実際よりも高く知覚されることがわかっています。

 

病院で行われた実験では、電話越しに「医師」であることを示した聞き覚えのない声からの指示に看護師がどう反応するか調べました。看護師室に病院の医師だと告げ、特定の病室の患者にある薬を20ミリグラム投与するように言いました。この指示がおかしいと思うべき理由は4つありました。①処方が電話でされたこと。②薬が認可されていなかったこと。③指示された服用量は適切ではなかったこと。④看護師は電話の男と会ったことも話したこともなかったこと。この4つの理由があったにもかかわらず、95%の看護師が、この指示に何の疑いもせずに従ったのです。

これほどまでに権威が力を発揮して恐ろしいことになるとは驚きです。

 

服装でも権威の効果がはっきりと表れます。ある実験では、依頼者が通行人を呼び止め、15メートル先のパーキングメーターのそばに立っている男性を指さします。依頼者は普通の服のときも、警備員の服のときも「あそこのメーターのそばに立っている男性、彼は駐車時間を超過しているのですが、小銭を持ち合わせていません。彼に10セントあげてくれませんか?」警備員の服を着ているときはほとんどの通行人が命令に従いましたが、普通の服だとあげたのは半分の人もいなかったのです。

このように服装をまるで自分がその職業であるかのように、装うことで権威の力を借りて、人を操ることもできるのです。詐欺師はこういった服装の権威を利用して詐欺を行っていることに注意しましょう。

 

防衛法

権威を悪用する人から身を守るためには?まず、権威が持つ力を十分に意識することです。権威者はしばしば専門家でもあります。権威者の指示に従うべきときと、そうでないときの区別をつけられるようにしましょう。そのために「この権威者は本当に専門家だろうか」と自問しましょう。そして、「この権威者はどの程度誠実なのだろうか」と自問しましょう。権威者は私たちを納得させようとしてきます。その言っていることが本当に正しいのかどうか、を見極める努力をしましょう。騙されないために。

 

権威のまとめ

  •  権威者に対する服従は、思考が伴わない状態で作用してしまうことがある。
  • 権威者から命令されると本人の意思とは関係なしに、危険なレベルの痛みを他者に与えてしまうことがある。
  • 権威者にはシンボルに対して、反応してしまう傾向がある。
  • 権威者から身を守るために、「この権威者は本当に専門家だろうか」「この権威者はどの程度誠実なのだろうか」の2つの自問をしよう。この質問によって、権威者の地位を示す証拠になり、信頼できるかどうかも分かってくる。

 

希少性
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フロリダ州立大学の学生の経験では、大学のカフェテリアのアンケート調査を受けたとき、そこで出される料理の質に不満があると答えました。しかし、9日後に行った2回目の調査では、意見を変えていました。料理の質とは関係なく、火事のために2週間はカフェテリアで食事ができないと知らされましたことで、料理に対する評価が高くなったのです。

人は手に入りにくくなるほど、その機会が貴重なものに見えます。これを希少性と言います。

 

希少性の働き方

承諾誘導の専門家がよく使うのは、「最終期限」戦術です。よくネットビジネスでも「あと〇日で販売終了」と期限を設けた販売手法が使われています。これは実際には在庫はあるのに、希少性を醸し出して客の購買をあおろうとしているのです。確かスーパーでも「本日限定30個」といった札が張られていれば、それを買う客も多くなってきます。私たちは期限に弱いのです。

 

私たちは自由を奪われることも嫌いです。心理学者ジャック・ブレームが提唱した心理的リアクタンス理論というものがあります。この理論によれば、自由な選択が制限されたり脅かされたりすると、自由を回復しようとする

欲求から私たちはその自由を以前にも増して求めようとします。これは希少性の増大によって、ある対象に接しにくくなったときも、その状態に反発し、以前よりも熱が入ってしまいます。

ロミオとジュリエットも希少性の原理が働いているのだろうと思われます。

 

防衛法

希少性を生んでしまう状況では冷静さを見失い、衝動的になってしまうことが原因である。思考を通り過ぎ、情動が直接体に訴えかけてくるために、希少性を感じると目の前のものが欲しくなる。その防衛法として、頭に血が上ってしまう場面では特に冷静になるように注意することが良いです。まず、興奮を抑えて、次になぜそれが欲しいのかを別の観点から評価してみましょう。

 

希少性のまとめ

  • 希少性の原理は人は機会を失いかけると、その機会をより価値があるものとみてしまう。「数量限定」や「最終期限」がいい例である。
  • 希少性の効果を上げる理由は2つある。1つは手に入れにくいものはその手に入れくさがその価値を決定する手掛かりとなるからだ。もう1つは手に入りにくいときは、私たちは自由を失っているのである。心理的リアクタンスによって、以前よりも手に入れたい欲が増すからである。
  • 希少性の防衛法は、希少性を感じた時に衝動を抑えることと、なぜそれが欲しいのかをもう1度自問自答してみることである。

 

影響力の武器〜まとめ〜

これまで人を動かす影響力の武器として、6つの要素を説明してきました。

  • 返報性
  • コミットメントと一貫性
  • 社会的証明
  • 好意
  • 権威
  • 希少性

以上の6つが特に人に影響を与える要素であることを、しっかりと頭にいれて、それを悪用してくる人から身を守ってほしい。

 

影響力の武器は厚い本であるが、私なりにまとめてみました。興味ある方は本書を読んでみてください。